照葉樹林の季節ごと変化、バッチリ!
キャノピーウォーク
●春→シラタマカズラの白果実を落とさんばかりに、春一番が森の中を通ります。この風を利用し、種子を遠くまで運ばせる戦略に出たのが「サカキカズラ」。直径7センチにもなろうかというパラシュート種子が、風に乗る様はまるでスターウォーズで母船からH型の子機が飛び出していく、あの光景。これをその上空から見下ろすコース設定が、にくい・にくい。
●梅雨→照葉樹林の林床はなかなか陽も届かない半日陰。そこに遠くからでもはっきりとわかるような主張をするのが「ヤクシマコンテリギ」。ガクアジサイの仲間だ。その萼が長期間白色で付くものだから、梅雨の期間いっぱいくらいは、もつ。なぜコンテリギ=紺照木と言われるかは、木漏れ日が差し込むようなときに遭遇してほしい。
●夏→子供たちの黄色い声も照葉樹の葉たちがかき消してくれる、夏休み。クマゼミ・ツクツクボウシは目の前の枝で透明な羽を振るわし、張り出しテラス「アーベントイヤ」の先端に座ると、目の前のタブノキにノコギリクワガタ・カブトが見え隠れ。この頃は、大型のアゲハ(ナガサキ・モンキ・ミヤマカラス)が悠々とキャノピー(樹冠)を滑空していく。
●>秋→空気の澄み具合がより鮮度を増すこの時期は、ヨシムラステージ(コースで最初に海の見えるステージ。定員10名)から西方向にトカラ列島を望むことも期待できる。澄み切る青空にうまく上昇流を捕まえているのは渡り途中のサシバの群れ。ややおくれて、渡りの蝶「アサギマダラ」も園内に舞い降りてくる。ギャップ更新でできた草地にツワブキが満開の黄色花を競うのもこの時期だ。
●冬→屋久島は「定期的に雪の降る日本で一番南の島」である。もちろん、山頂付近でのことだが、モッチョム岳が冠雪した姿をドアップで鑑賞できるのが、自慢と言えば自慢!対照的に麓は冬なお緑の照葉樹林帯。一言で言うと、贅沢な風景だ。日中、気温が上がるとカシ類をねぐらとしていた「ムラサキツバメシジミチョウ」が葉の上で羽を広げる。太平洋をバックにしたベストショットの一瞬だ。
キャノピーロープ
蝶の飛び交うその上を、飛んだことがありますか?
蝶の種類によって羽ばたき方が違うのです。テリトリーを張るシジミチョウ類の雄はなんと自分よりオオキナアゲハの類いにまでちょっかいを出しています。時折通り過ぎるツマベニチョウは、私たちが滑空するスピードに競い合うように併行していきます。
世界一大きくなるシダを真上からのぞき込むスタイルを想像してください。
そのシダは「ヘゴシダ」といいます。もちろんキャノッピの園内に勝手に自生しています。大きくなるシダは木生シダと称されますが、その真上、上空からのぞき込むと、巨大な花のように葉を広げた姿に心を打たれます。半日陰で育つ植物にとって、やはり太陽光をいかに効果的に吸収するかが最大のポイントとなるのでしょう。
■キャノピーロープでのじっくりした空中には【正規プログラム】がおすすめ。撮影機材などのホールドも少しお手伝いさせていただきます。